入学希望の方へ

大学生・社会人の皆様へ

 本学院に通われているのは社会人の方が多いのが特徴です。半数以上の方は、夜に通学されています。
 職種は様々ですが、仏像や木彫刻あるいは職人に興味のある方、また仏師として独立を目指している方などが通われています。
 若い頃は家庭の事情でこの道を断念せざるを得なかった方や、周囲の反対からこういう道を諦めざるをえなかった方など、色々な方がいらっしゃいます。
そういう思い描いた夢を年齢だけで諦めず、30代からでも再挑戦できる環境として活用していただきたく、本学院を開校いたしました。現代社会は何でもモノが簡単に手に入る時代です。彫刻は、苦労して長い時間をかけて制作をするので、短時間ではできません。一見すると時代に逆行するような作業ですが、時間をかけるからこそ思い入れも強くなり、少しでも良い物にしようと向上心も高まります。日本人はモノにも命があると考えてきました。この作り手の思いこそが日本人が古来より大切にしてきたモノにも宿る「命」であり「心」ではないでしょうか。 千年以上も前から変わらぬ技術や手法で彫り上げる仏像彫刻は、こうしたやりがいだけでなく、様々な悲しみや悩みを抱えた方たちに必要とされる仕事です。私は彫るという技術だけでなく、「心」も次世代に伝えたいと思っています。

 

シニア層の皆様へ 

シニア層  本学院では、社会人として働きながら仏像彫刻を学びたいという20~50代の方を中心に、幅広い年齢層の方が通われています。 私が主催しております教室では、80歳から仏像彫刻を始めてすでに仏像を2体彫られた方もいらっしゃいます。ですから、「自分にはできないのでは…」と考えたり、「力がないから」と諦めたりすることはありません。
 彫刻は何よりも経験がものをいいます。彫り方や気をつけるべきポイントをいかに理解できているかがカギを握っているのです。50~60代になると子育てもひと段落される方が多く、これまではできなかったご自身のために使える自由時間が比較的多くなります。長年働いてこられ、趣味の時間などを持てなかった方々にも、第二の人生を充実した楽しい日々を送っていただきたいと願っています。仏像本体を彫り上げるまでには、少し時間がかかりますが一生楽しめる技術です。

 

高校生の皆さまへ 

仏像彫刻に限らず、一般的に彫刻の世界では親方の下に職人と弟子が付いて工房が成り立っています。弟子は通常、数年間の修行期間を明けると職人となり親方の仕事を手伝うか、若しくは自分が親方となる独立の道があります。この徒弟制度は、職人として技術を極めることにおいては優れたシステムです。
しかし、現代は社会の動きが激しく2、3年もすると情勢は一変しています。20代前半は将来の仕事を決める重要であるため、色々と悩んだまま数年間の修行に入ることは大きなリスクを伴います。こうした時、自分の夢を諦めきれない場合や、職人の道に入るか迷っている場合などは学院で本格的に仏像彫刻を学んでみて判断されても遅くないのではないでしょうか。若さは様々なことにチャレンジすることができ、選択肢もいくつもあります。モノが何でも簡単に手に入るこの時代に、一から自分の手でモノを作る素晴らしさややりがいを感じていただきたいと思います。

 

保護者の皆さまへ 

当学院は仏師を養成することを目的に2010年に開校いたしました。
 近年、仏像がメディアや雑誌で頻繁に取り上げられています。それに伴って最近では、インターネットや関連書籍などからも豊富な知識が得られるようになりました。 特別展示などによりその魅力が引き出されると、今までは敷居が高くやや敬遠されがちだった仏像が身近に感じられるようになりました。
 その結果、拝観だけにとどまらず「自分でも彫ってみたい」と仏像彫刻教室に通われる方も増えてきました。
しかし、その延長線上にある本職として「仏師」を目指す方は依然少ないのではないかと感じています。それは、この道を目指すにはいわゆる「丁稚奉公」しかなかったからではないでしょうか。師匠の下に数年間弟子入りし厳しい修行をするこの制度は、職人を育てるにはよくできた日本古来のシステムです。
 ただ、昨今の厳しい経済情勢やライフスタイルの変化により、仏師を目指す方には困難な部分がある制度となってきています。それは、この修行期間に5~10年を要するため、適性を判断できなかった場合に大変な時間の損失になってしまうということです。
そこで何とか仏師になりたいという方々に、手を差し伸べられないものかと思案し、2010年4月に本学院を開校する運びとなりました。 仏像彫刻は1000年以上もの昔から伝えられてきた極めて貴重な技術です。かつては限られた家系にのみ継承されたものでしたが、昭和に入り門戸は広げられ血筋以外の方でも目指すことができるようになりました。
 師匠から受け継いだこの技術を次世代の方に余すところなく伝えていきたいと思っています。皆さんのペースに合わせ技術だけを徹底して学べるので、充実した学院生活を送って いただきたいと願っております。

 

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